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社会
香芝校 西田
社会コラム
世界で一番〇〇なもの
これまで、このコラムでは「世界で一番生徒数が多い学校」「世界で一番大きい無人島」など、さまざまな「世界で一番」を紹介してきました。今回は世界で一番合格するのが難しい試験を紹介します。
世界で一番合格するのが難しい試験「科挙」
科挙とは、中国で587年ごろから1904年まで行われていた官僚登用試験(=給料が高くて尊敬される役人になるための試験)です。日本以上に貧富の差が激しい中国では、「勉強して試験に合格すれば役人になれる」ということはとても魅力的でした。しかし、一つ一つの試験がどれも大変なのです。
試験 |
内容 |
備考 |
県試 [けんし] |
入学試験① |
合格すれば府試を受けられる |
府試 [ふし] |
入学試験② |
合格すれば院試を受けられる |
院試 [いんし] |
入学試験③ |
合格すれば生員[せいいん]になり、郷試を受けられる |
歳試 [さいし] |
学校の定期試験 |
成績を6等に分け、5等は停学・6等は一時的退学 |
科試 [かし] |
郷試の予備試験 |
郷試の倍率が約100倍に収まるようにする |
郷試 [きょうし] |
科挙の本試験① |
3日間ぶっ通しの試験×3セット |
挙人覆試 [きょじんふくし] |
会試の予備試験 |
成績を5等に分け、3等までが会試を受けられる |
会試 [かいし] |
科挙の本試験② |
科挙のうち、もっとも重要な試験 |
会試覆試 [かいしふくし] |
殿試の予備試験 |
成績を6等に分け、3等までが殿試を受けられる |
殿試 [でんし] |
科挙の本試験③ |
全員合格だが、この時の成績が将来の出世にひびく |
多くの受験者が15歳までに受ける県試ですら「四書五経[ししょごきょう]」と言われる書物(内容が被っている部分を除いて合計約430000字)を丸暗記しなければ話にならないそうです。県試は14歳以下には簡単な問題、15歳以上には難しい問題が出されるので、中には40代なのにひげを剃って14歳だと偽った人も……。
皆さんも小テストから入試まで、さまざまな試験勉強に追われていると思いますが、辛くなったら「科挙よりはマシだ……」と思って乗り切って下さい!