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数学
室田
数学コラム
57は素数
問題です。 57は素数ですか?
まず、素数とは1とその数でしか割れない整数のことです。例えば、11は1と11でしか割り切れないので、素数です。12は1と12以外に2や3などでも割り切れてしまうので素数ではないです。要は約数が2つしかない数字が素数です。よって1は約数が1つだけなので素数ではないです。よくひっかけ問題として作られるので注意しましょう。
話を戻します。57は、3や19で割り切れるので素数ではないです。さて、この57はグロタンディーク素数と呼ばれます。これはアレクサンドル・グロタンディークという数学者の名前から付けられました。1928年にドイツで生まれ、数学の様々な理論の書き直しや新たな分野の開拓、様々な未解決問題の解決への貢献など、数多くの業績を残しているとてもすごい数学者です。
そんな彼が、講演で素数についての話をしているときに「抽象的でわからないので具体的な数字を使って説明してほしいです。」と聞かれ、「では、57で考えましょう。」と言いました。
中学で習う数学は計算ばかりですが、数学者はその計算の根本のルールを作ります。彼は普段から数学のルールについて考えていたため、とっさに具体的な数字と言われて間違えてしまったようです。
この逸話から(あのすごいグロタンディークが素数と言っているし、57は素数か…)となり、57はグロタンディーク素数と呼ばれています。間違いが名前になるほどすごい数学者だったということです。
ただ57は素数ではないです。間違えないように。